io vivo a Carmignano カルミニャネーゼな日々

6年弱働きながら暮らしていたフィレンツェから、結婚を機にジャンニの住むカルミニャーノに引越し。フィレンツェ近郊の田舎街での生活をつづっています。
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AMBRA - アンブラ



3月7日、月曜日。

アンブラが、逝ってしまいました。



2013年の10月、リンパ検査のための手術でモンツァに入院していた時、偶然に彼女もいました。

なんとうちから車で10分もかからないカルミニャーノの別の地区に住んでいたアンブラ。

ジャンニと彼女のお母さんが知り合いだったようで、300キロ以上も離れたモンツァの病院の、しかも婦人ガン科でばったり会ったことにお互いびっくりでした。

手術前の私の病室に、2人がお見舞いに来てくれました。

うとうとしていたところに声をかけられて私はぼーっとしていたし、初対面だったので、そのときはあまり話さなかったのですが、アンブラが、


『すべてうまくいくわよ、大丈夫よ』


と笑顔で励ましてくれたのを今でもよくよく覚えています。


ジャンニから聞いた話では、当時21歳か22歳だった彼女は、私のがん発覚から少し前に卵巣がんに侵されているのがわかったそうで、しかもそれが普通の卵巣がんではなく、特殊ながんだったらしく、治療をしにモンツァに通っていたそうです。
やっぱりアンブラもすごく怖がっていた、とジャンニが話してくれました。




その後、アンブラとは会いませんでした。

お互いカルミニャーノに住んでいるので、彼女のお母さんに近所のスーパーで2回、彼女のおじさんにも数回偶然会って立ち話をする機会があるくらいでした。

そのたびにアンブラの病状を聞いてはいたのですが、毎回、あんまり芳しくないという返事。


彼女のおじさんにスーパーでばったり会ったのは2か月ほど前。

アンブラのことを聞いたら、

『イタリアではもうだめだから、スイスに治療しに行ってるんだけど、厳しそうだな。。。』

と言っていたので、ふとした時に、どうしてるかのかな、と気にはなっていました。



そして月曜日、この訃報。

今日、9日がお葬式だったのですが、都合がつかなかったので、昨晩、日本でいうお通夜に行ってきました。
お葬式の前に、最後の面会をする場です。



そこに着くと、外にも弔問客があふれていました。

アンブラがいる小さい部屋に近づくにつれて、涙が込み上げてきました。


そこに入ると、小さな棺の中にアンブラが横たわっていて、彼女のお母さんがその横に座って、アンブラにしきりに語りかけていました。

もともと小さい子だったけど、それよりも一回り小さくなっていたアンブラ。

手をちゃんとお腹のところに添えて、きれいな服を着せられて、きれいにお化粧してもらって、目をつぶって横たわっていました。
想像していたより安らかな表情で。

白いベールで覆われたその棺の中に、2年半前に病院で見たアンブラがいました。


どうしても近くでお別れを言いたくて、そばに行ったら下半身は枝みたいにやせ細っていて、闘病しんどかったんだろうなって。。。

お腹の上でそろえている彼女の手に、右手をそっとのせると、思っていたより冷たくも固くもなくて、ほんとにまだ生きているみたいだった。

彼女の無念を思うと、涙が止まらなくて、泣かずにはいられませんでした。


若いのに、まだまだ若いのに。
やりたいこと、いっぱいあったよね。

治療、辛かったね、しんどかったね。
今までよく頑張ったね。



そんな私に気づいて、アンブラのお母さんが声をかけてくれました。

『あなたは元気なの??』って。


本来なら私のほうが励ましの言葉をかけるべきなのに、アンブラを失ってしまったお母さんを目の前にすると、もっと悲しくなって、腕にしがみついて泣いてしまいました。

「こんなことになって本当に残念です」

くらいの言葉しかでてこなくて、泣き続けてしまいました。



『アンブラは、最後の最後まで闘い続けたのよ』



とお母さんが教えてくれました。

そして泣き止まない私に、


『あなたも負けちゃだめだからね。諦めちゃだめだからね。きっとうまくいくから。』


と言ってくれました。



その後、その場を後にする前に、アンブラのお父さんと彼とも少し立ち話をしたのですが、

『アンブラは僕たちに、絶対に諦めちゃいけない、逃げちゃいけないということを教えてくれたよ。最後の最後まで闘い続けたアンブラが、僕たちに教えてくれたんだ。』

と言っていました。

私が驚いたほどにすがすがしいような、さっぱりとした表情で2人が話してくれたのは(彼女を失って嘆き悲しんだのには違いないけど)、きっと、最後まで闘ったアンブラを誇りに思っているからだろうな。
彼女と一緒に諦めずに闘いぬいたからこその言葉で、私はその2人の言葉に、悲しみというよりも、希望に近いものを感じました。


ジャンニも言ってたけど、いろんなことから解放されて、今彼女もやっと楽になれたのかな。




やりきれないです。

彼女がいなくなっても、また日は昇って沈んで、世間はいつも通り動いていて、こんなに悲しい現実があるのに、時は流れつづけて。

私もいつも通り、目が覚めて、仕事に行って、ご飯食べて、お風呂に入って、って。


人生ってなんなんだろう、って。


こういうものなんだけど、でもやりきれないですね。。。





彼女は、1回しか会ったことなかったけど、私が勝手に思っているだけですが、なんか戦友みたいな、一緒に病気を闘う仲間、みたいな感じで。


忘れないからね、アンブラ。


今まで頑張ってきたのだから、頑張りすぎてきたのだから、これからは何も心配せずに、気楽に、安らかに、眠ってね。



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